HAMAYAKIGINMUTSU + TSUKIJI TAMAZUSHI
築地玉寿司銀座6丁目店 浜焼きぎん六
Sushi/寿司
japanese dining
photo:ナカサ&パートナーズ
粋を味わう
デザインにおいて、両店ともに最もこだわったのは、「築地らしさとは何か」。これはオーナーである中野里社長から投げ掛けられた言葉でもある。銀座の中心地で堪能できる築地の寿司と浜焼きの店。そしてたどりついたのは、粋の良さや伝統を感じる様式美的な潔さを表現しつつ、どこかに温もりがある空間をつくることであった。
「築地玉寿司」では、まず目を引くのがカウンターソファ席の背面にダイナミックにアレンジした葛飾北斎の波。現代にも通じるそのモダンさが活気ある雰囲気を演出している。
次に特徴的なのは、天井に配した特注木レリーフによる天蓋である。射光、風の流れ、水面、波のゆらめきといった自然からのインスピレーションを様式的に構成したこの天蓋は、カウンター席を優しく包み込むように広がる。また、粋というキーワードにあるユーモア感から、店全体を寿司桶に見立てている。桶風に並べた縦木の壁は気取りのない心地良さを生み、そこを走る銅板の帯は柔らかい光を放ち温もりを醸し出す。
「浜焼き ぎん六」は、焼匠が立つ中央の焼き台空間がメーンである。そこを堂々たる活気あふれる場にすべく、奥行7m、全長約13mもの迫力あるコの字形タモ材無垢カウンターを配した。焼き台や天井に貼った様式美を感じる懐かしい六角形モザイクタイルが、客人を優雅にもてなしてくれる。店内最奥には、メーン空間とは異なる個室があり、橙色漆タイルが穏やかに迎えてくれる。
両フロアで目指した粋で温かみのある場。それこそが、時を経ても飽きのこない築地スタイルをつくることであった。
「築地玉寿司 銀座6丁目店/浜焼き ぎん六」データ
東京都中央区銀座6丁目9-5 小坂ビル5、6階
設計/ベイリーフ 前田太郎 山田洋介
協力/特注ファブリック(5階)及びディスプレイ(6階) Water & Co.
照明計画 ジャパンライティング
施工/ラックランド
撮影/ナカサ&パートナーズ
工事種別◎内装のみ 全面改装
床面積◎玉寿司/73?(うち厨房32?) ぎん六/83?(うち厨房31?)
工期◎玉寿司/2008年10月20日?11月20日 ぎん六/2008年11月20日?12月14日
施工協力◎空調・給排水衛生設備設備/前田ビル商会 電気設備/村石電気工事 厨房設備/萩原製作所 照明器具/ジャパンライティング 家具/ロックストーン 什器(カウンター)/鴨川商店
主な仕上げ材料
〈築地玉寿司〉
床◎コンパネ二重下地塩ビタイル貼り(サンゲツ)
幅木◎ヒノキ材
壁◎LGS組みPBt12.5下地ヒノキ無垢板貼り 一部ブロンズペンミラー貼り
天井◎スチール角材+コンパネ下地の上タモ材練り付け+タモ無垢材NCカットパターン貼り LGS組みPBt12.5下地漆和紙貼り(木曽アルテック社)
家具◎ベンチ(ロックストーン)
什器◎カウンター/タモ無垢材ウレタン仕上げ(鴨川商店)
〈浜焼き ぎん六〉
床◎軽量コンクリートの上珪藻土タタキ仕上げ
幅木◎スギ材
壁◎LGS組みPBt12.5下地ブロンズペンミラー貼りの上木桟貼り 一部杉板下見貼り VIPルーム/漆タイル貼り(Water&Co.)
天井◎スケルトンの上AEP あぶり場/LGS組みPBt12.5下地モザイクタイル貼り
家具◎イス(ロックストーン)
什器◎カウンター/タモ無垢材ウレタン仕上げ(鴨川商店)