三代目 魚武士/SANDAIME UOBUSHI
居酒屋/IZAKAYAjapanese dining カジュアルレストラン
casual restaurant ダイニングレストラン
dining restaurant
photo:石橋マサヒロ
○業態のアイキャッチとなるオブジェ
「三代目 魚武士」は、沖縄県南風原町の国道沿いに位置する大型居酒屋で、建物の高さをフルに使ったインパクトある外部看板が目印である。店内は店の名の通り「魚武士」のねぶた風オブジェをアイキャッチに据え、巨大な吹き抜け空間を生かしデザインした。
県内最大級である333席もの客席を、場所ごとに差別化を計り構成した。なかでも特徴的なのは1階中央部を大胆な角度で横断するカウンター席と、仕上げの質感にこだわった酒甕モチーフの大小様々に連なるブース席、それらを見渡せる中二階席やラグジュアリーな二階ラウンジ席も人気席となっている。いずれもオープンキッチンを眺めることができ、炉端焼き、ピザ釜、アイスベッド、刺し場などのあらゆる調理の過程を楽しめる。店内至る所に取り付けたディスプレイは、海に関連するアイテムで統一。天井から吊り下がる巨大シャンデリアの周囲には、網カゴやサバニ(沖縄の漁船)を回し、見上げの印象の強さや、引きで見た空間に動きが出るよう意識してレイアウトした。躍動感ある「魚武士」や魚のオブジェは、業態の分かりやすさを表現すると共に、形状や色味で親しみやすさの演出を狙った。主張の強い要素同士のバランスをとりつつも、ダイナミックな印象を大切にしながら、吹き抜け空間のポテンシャルを最大限に生かすデザインに仕上げている。
大きな空間ににらみを効かせる「魚武士」。まるで店舗全体が彼のステージのような、物語を感じさせる居酒屋となったのではないだろうか。
「三代目 魚武士」データ
設計/兼城祐作+造形集団 兼城祐作 鈴木麻紗子
床面積/660㎡
施工年/2016年