たけすみ/TAKESUMI
竹炭・備長炭 炉端焼き/JAPANESE DININGjapanese dining カジュアルレストラン
casual restaurant ダイニングレストラン
dining restaurant
photo:石橋マサヒロ
「竹遊び」
観光地、国際通りがある久茂地エリア。近年、飲食店競争が激化しているが、ここで数店舗をドミナント展開する輪っしょいファミリーの新業態である。店名の「たけすみ」は業態と合わせただけでなく、代表、南風見氏の祖父と祖母の名前にも「たけ」と「すみ」がつく事からもきており、うちなんちゅ(沖縄の人)らしい温かい心が込められている。
竹炭を使った料理を主軸に提供するのならばデザインにも「竹」を使わない手は無い。意匠としての使い方はすでに出揃った感じがあるが、まだまだあるのではないだろうかと抽斗を探り、地方で見かけた竹灯籠祭りで、竹を用いて様々なカタチを表現していた事を思い出した。その記憶をヒントにし、弱点である経年劣化の影響も考慮しながら独創的な表現方法を試みている。
まず、国際通りからも覗けるファサードは孟宗竹と黒竹の木賊貼りで構えた。木組のアプローチを潜り、むかえたガラス張りの入口の両脇にシャンデリアを対に配置し、店内の臨場感と光が外に漏れるように考えた。客層は地元客だけでなく観光客の来店ケースも想定し、いろんなオケージョンに応じて利用できるようにテラス、カウンター、ラウンジ、ブース席が半分。そして70名を超える大型宴会から、建具の使い様によって様々な人数にも対応できる個室席エリアで、客席を二分させた。
全体的には濃いめ木調で落ち着かせ、杉の芯材を貼り詰めた壁面など白木系の素材でアクセントを加えてみた。ブース席のカタチは”たけのこ”のフォルムをモチーフに自然的な曲線美を備えさせ象徴的に配置している。天井からぶら下がるのは、竹を鎖状に組み合わせて作ったバンブーチェーン。意表性も混じった楽しさを感じられ、炭焼場から香るシズル感と相俟って、期待以上の”ノリ”を提供してくれた。竹は繊細な素材であるが、使い方によっては存分に遊べるパワフルな素材でもある。
二宮弘大
「たけすみ」データ
施工/ワンステップ 仲村渠秀次 与儀 淳
工事種別/内外装