さくらん/SAKURAN

GIRLS BAR



category:バー、クラブ
bar, club

photo:石橋マサヒロ
 
花魁と桜

荻窪のバーで飲んでいる時「このハコで何やろうか?」との問いに「着物でミニってどうですか?」と軽いノリで返し、このプロジェクトはスタートした。クライアントの大林氏との付き合いはかれこれ25年を超えるが、昔からこの調子で方向性が決まってしまうのである。それはさておき、肝心なのはデザインコンセプト……。その日は朝まで飲み明かしながら、ラフプランから思いつきデザインまで、酔いにまかせて提案し、一気に決めてしまった。
デザインテーマは”花魁”と”桜”である。まず花弁をデフォルメした囲みカウンターを配し、そのトップには桜柄の振り袖生地をガラスに挟み込み、内部からの照明を与える事で華やかさと色気を醸し出せるカウンターを表現した。カウンター中央にはポールダンスのショーが行える円形ステージを設け、素材をアクリル板にして天井からだけでなく床下からのステージ照明を加えることで、より妖艶なステージ演出ができるように考慮した。壁と天井には屏風パネルを構築し、花魁に扮した大衆演劇で活躍している女形役者達と桜をコラージュしたシートを貼り込み、空間にインパクトを与えた。
「さくらん」は歌って踊れるガールズ達が夜通し宴を楽しんでいるバーである。

 「さくらん」データ
設計/兼城祐作+造形集団 兼城祐作 
協力/アイドマ開発
撮影/石橋マサヒロ
  
工事種別:内外装 全面改装
床面積:57.4㎡(うち厨房5㎡)
工期:2009年2月1日?3月10日



主な仕上げ材料
床:既存下地カーペット敷き ステージ/スチール組みアクリル板t12
幅木:米松無垢材OS,CL
壁:布地貼り ミラー貼り ディスプレイパネル/特注プリントシート
天井:スケルトン
家具:カウンター天板/振り袖生地挟み込み+クリアガラスt12 白熱灯内照式