李昇 本館
RISHO Honkan
Korean Barbecue
dining restaurant
photo:石橋マサヒロ
他のどこにもない店
名古屋市中心部に新築として計画された「昇家」の6店舗目となる「李昇 本館」は、既存店舗よりサービス、料理、空間すべてにおいて「ワンランク上」であること、各階各部屋が異なる表情を見せる「完全個室」であること、他のどこにもない「オンリーワン」な店であることが、クライアントから与えられたコンセンプトであった。
エントランスを中心にシメトリーに配された3層の建物は、まず全面ガラスとモールディングを用い、開放感と重厚感を兼ね備えたファサードで焼き肉店の概念を取り払い、各階天井にそれぞれ趣きの異なる特注照明を用いることで、見上げた時の期待感をそそる演出とした。入り口扉を開くと、正面にはホテルを思わせるレセプションカウンターが出迎えてくれる。その裏にはクリスタルのシャンデリアの下にシェフズカウンターがある。
2階はアジアンリゾートヴィラをイメージしている。庇の木瓦など現地から取り寄せた素材を用いることで、より本物の空気感を追求した。水庭からく水音を聞きながら石畳の上を歩き部屋に入る。天井は、キャンドル風シャンデリア、オリエンタルなレリーフパネルを使用した。
和風旅館をイメージした3階は、漆黒のヨロイ貼りの壁をシンメトリーに配し、行灯を置いた。ナグリフローリングに畳、和紙、格子という伝統的な和の中に、西陣織を用いた照明をアクセントとしてモダンさを演出した。さまざまな表情の個室を持つ空間だが、一貫したコンセプトとして各部屋に至るまでのアプローチにおいての間や目線、空気感を大事にした。店に一歩踏み入れてから席に座るまで、飽きさせず期待感と高揚感をる仕掛けとなっている。また、席に座れば部屋の中はただ単に高級感を追求するだけでなく、どこか居心地の良さを味わえる空間づくりを心掛けた。
「李昇 本館」データ
愛知県名古屋市東区泉1丁目22-36
企画/神谷利徳
設計/内装 神谷デザイン事務所 豊泉吉亮
建築 クラ設計 高倉康人
協力/アートディレクション ノーリ・インターナショナル 土屋 修
空調設備・無煙ロースター サンタ 森田成一 沖 康平 柴田将嗣
照明 大光電機 時田靖之 村西貴洋 川上靖代
厨房 マルゼン 江平明弘 村上大樹
家具・特注照明 ゲート・オブ・ドラゴン 陳 亮 原田雄豪
施工/葵建設 横山信之 嶋田 智
撮影/石橋マサヒロ
工事種別:一戸建て 新築
用途地域地区:商業地域 防火地域
建ぺい率:制限100%>実効84.28%
容積率:制限800%>実効252.83%
構造と規模:S造 地上3階建て
敷地面積:166.71?
建築面積:140.50?
床面積:421.50?/1階140.50?(うち厨房21.76?) 2階140.50・(うち厨房9.21?) 3階140.0?(うち厨房8.45?)
工期:2008年2月?6月
施工協力:電気設備/宮内電装 給排水衛生設備/かとう水道工業所 サイン/夢貴工房 植栽・デ ィスプレイ/デジャヴ 基礎工事/早川建設 外壁工事/小島屋 鉄骨工事/鬼頭工建 防災工事/東海報知器
主な仕上げ材料
外壁:ALC板下地モールディング材の上樹脂系複層材(ジョリパット/アイカ工業) 造作柱/ボンデ鋼板焼き付け塗装 モールディング材の上ウレタン塗装
床:1階/磁器質タイル貼り(アドヴァン) カーペット敷き(サンゲツ、シンコール) 2階/天然石貼り(アドヴァン) カバ材フローリング(プレイリーホームズ) 3階/那智黒利洗い出し マリタイムパイン材フローリングスプーンカット加工(マルホン) 縁なし畳敷き
壁:1階/化粧合板貼り 天然石貼り(アドヴァン) タイル貼り(カルチャー・ブリック/トーザイクリエイト) 2階/樹脂系複層材(ジョリパット/アイカ工業) ビニルクロス貼り 3階/合板ヨロイ貼りの上ウレタン塗装鏡面仕上げ ビニルクロス貼り
天井:1階/AEP 2階/ランバーコア凹凸パターン貼りの上ウレタン塗装 3階/ケイカル板目透かし貼りの上メタリック塗装
照明器具:2階/ペンダント・スチールフレーム組 フロストガラスシェード ゆらぎ調光ユニット内蔵 3階/シーリング・スチールフレーム組み 西陣織貼り(三才)