GINZA AKEBONO KYODO
銀座あけぼの 経堂店

Japanese-style confectionery shop


category:フードショップ
food store

photo:ナカサ&パートナーズ

ふわりと揺れる柳とシズル感 「銀座 あけぼの」は、銀座という場所性が持つ伝統的でモダンなイメージにつながる。銀座並木の柳はそのポテンシャルを想起させる象徴となってイメージに刷り込まれる。 あけぼのの設計ではこれまでも、江戸唐紙の光り壁やレーザーカットした桐の板を使って、「銀座あけぼの=柳」のイメージを表現してきた。 今回、経堂店での柳の表現は、手漉き和紙に江戸職人が櫛引きで色を重ねた壁と、ガラスにUVプリントされた脇阪克二デザインの「風柳」の文様が落とす光と影。風を孕んで柳の枝がふわりと揺れるように見える。本来はそこに無い音や空気、風やにおいをインテリアデザインで感じることができる。伝統とモダンの融合。新しい銀座あけぼのの銀座柳の表現である。 「柳」と並ぶもう一つのコンセプトは、食品のおいしさを表現する「シズル感」。食品を扱う空間のデザインに最も要求されるのは、このシズル感ではないだろうか。 あけぼのは米菓だけではなく、半生菓子も販売している。特に白玉まめ大福は「朝生」と呼ばれ、その上品な白玉粉の生地で包んだ豆の触感と小豆の甘さの絶妙なバランスでとてもおいしい。このおいしさを表現するためにつくられたのが、白玉豆大福専用のショーケース。この什器は、あけぼのの素材へのこだわり、熟練の技、深い思想、それに加えて白玉豆大福のシズル感を表現している。 大きな檜の丸太を組むことで素材へのこだわりを、また亀甲彫りという技法で木に対する日本の伝承の技を、そして判中を表現することで、できたて感と郷愁を表現し、見やすく買いやすく整理しやすいデザインにした。  

「銀座あけぼの 経堂店」データ 東京都世田谷区経堂駅高架下 設計/辻村久信デザイン事務所+ムーンバランス 吉里秀則 協力/照明計画 大光電機 北田正明 小林由幸    柳柄グラフィックデザイン 脇坂克二 施工/大和小田急建設+大和工業 撮影/ナカサ&パートナーズ


工事種別◎内装のみ 新築 床面積◎70.56? 工期◎2009年1月?3月 施工協力◎朝生什器/マテリアル グラフィックプリント/大商   主な仕上げ材料 床◎墨モルタル金ゴテ押さえ+一二三石(高級那智黒) 壁◎特注和紙貼り クリアガラス+柳柄グラフィックプリント 磁器質タイル貼り AEP 天井◎クロス貼り ガラスケース◎桐材 朝生什器◎檜無垢材