姫路第一病院

hospital




category:病院、クリニック
hospital, clinic
 ホテル、旅館
hotel
 商業施設
commercial complex
 その他(ショールーム、ギャラリー、ミュージアム、プロダクト)
etc
 オフィス、学校
office, school

photo:ナカサ&パートナーズ、KTXアーキラボ
 The Laminaesculapian – 総合病院移転計画 –

築56年が経つ総合病院の新築移転計画。(医療施設耐震化整備事業補助金対象)既存病院の隣地に新棟を建て、旧棟を取り壊す。クライアントからは、病院にいることを忘れるような、気分が晴れる美しい建築・空間のデザインが要望された。 ロケーションは兵庫県姫路市、交通量の多い国道沿い。隣地には以前弊社が設計した小さな調剤薬局が建っている。 建物が耐震基準に満たないことから、早期の建て替えを余儀なくされた病院であったが、終わりの見えない建設費高騰が続く昨今、平均的な病院建設費に照らし合わせると予算を大きくオーバーしてしまうことが分かった。しかし病院にとってその意匠は非常に重要なものであり、コストのために諦めるべきものではない。長い建築の寿命の中で、設備などは約10年サイクルで入れ替わり、また内装も傷めば改修し、それらは更新しながら使われていくものである。しかし建築の意匠は、その建築が存在する限り変わることはない。病院の意匠は、訪れる患者、そこで働く人々、周辺地域の住民、病院に関わる様々な人の心理に影響を与える続けるものである。 建物形状はコストを抑えるため単純な平面形状とし、立面も凹凸の無い寸胴型で計画することとした。しかしそれでは外観の印象があまりに重くなってしまう。ファサードを軽やかに見せるため、前面道路に面した建物の隅切り部を階段状にし、重なった薄い外壁の間にスリット状の開口を設け、本のページをめくる瞬間のような軽やかな印象を創出した。外壁を薄い紙のような印象にすべく、外壁素材は均質でシームレスに見せることのできる窯業系サイディングを採用。一般住宅でも広く採用される建材である。またサイディング下地に耐火シート(ケイミュー社製)を採用することで石膏ボード2重貼りを省き、施工負担削減、工期短縮によるコストダウンを図った。内装の天井・壁は大部分をビニルクロスで仕上げ、床もビニル床で仕上げている。数量が多い待合のイスは、箱型のスツールをランダムな高さで組み合わせ、個性を持たせた。