Misty/ミスティ
バー/BAR
バー、クラブ
bar, club
photo:石橋マサヒロ
○果実のみずみずしさと和の要素の融合
「Bar Misty(バー ミスティ)」は、全国各地の名産品をふんだんに使ったフルーツカクテルを創作するバーテンダーの三澤政樹氏が銀座に開いたバーである。カクテルとのマリアージュとして本格的な和食も提供することになり、デザインにも部分的に和の要素を加えながら空間づくりをしていった。
category:bar, club
photo:石橋マサヒロ
○果実のみずみずしさと和の要素の融合
「Bar Misty(バー ミスティ)」は、全国各地の名産品をふんだんに使ったフルーツカクテルを創作するバーテンダーの三澤政樹氏が銀座に開いたバーである。カクテルとのマリアージュとして本格的な和食も提供することになり、デザインにも部分的に和の要素を加えながら空間づくりをしていった。
平面プランがおおかた決まった後は、バーをバーたらしめるのに重要なカウンターの関係性を考察。店員とお客様の目線の高さを揃えるのが一般的には定石とされているが、それではバーテンダーの美しい手元が見えづらくなってしまう。あえて手元を隠さずフルオープンにしてしまう方が面白いだろうし、距離感もグッと近付くだろうと考えた。客席は落ち着きを重視しローカウンターに、厨房側は機器の上にまな板を置けばカウンターとフラットになる高さを提案。いわゆる、割烹スタイルのバーカウンターである。
デザインは全体的に黒を基調として深さを出しながら、壁面はワラスさの塗り壁やレンガタイル、金襴生地の布団張りと、表情のある素材でメリハリをつけた。 壁、天井のミラーは、開放感と、垂直に突き合わせることで形状や照明を連鎖的に増幅する意匠的な見せ方にも活用している。
一番の特徴は、カウンター上から垂れ下がるオブジェ。名産フルーツのPRという店のコンセプトにちなみ、果実から果汁が滴る様をイメージし、フルーツオブジェとドレープチェーンで構成している。先述のカウンタースタイルも、これがしたいがための高さと空間を確保する布石であった。ここでフルーツの滴、一滴いってきがカクテルへと昇華され、銀座に集う琴棋詩酒の心得深い方々の、琴線に触れることがあれば幸いである。
二宮弘大
「Misty」データ
所在地:東京都中央区銀座7丁目6-5 石井紀州屋ビル3階
設計/兼城祐作+造形集団 兼城祐作 二宮弘大
施工/WEAVE 原田宗織 原田伊織
工事種別:内装のみ 全面改装
床面積:36㎡(うち厨房8㎡)