Dining Bar un,deux・・
安土

dining




category:ダイニングレストラン
dining restaurant
 バー、クラブ
bar, club
 和食店
japanese dining
 カジュアルレストラン
casual restaurant

photo:石井紀久 Toshihisa Ishii

ダイニングバー「安土」は、繁華街の某老舗料亭の名で呼ばれる通り沿いに位置している。老舗料亭の影響からエリア内で最もベストなロケーションでありながらも、新規店が根付く事ができなかった場所へのあえての出店である。 “安らぎの場”という意味での「安土(安堵)」と、一人、二人と集う“人の輪”“コミュニケーションの場”という意味での「un,deux,・・(アンドゥ・・)」という音韻とともに掛け合わされた店名そのものをコンセプトに、オーナーの目指す「次世代型スタイルの構築による競合店との差別化」というテーマを受け、環境計画においても「次々世代の視点から懐かしむ次世代のイメージ」ということに答えを求めた。 枯渇してゆく天然素材、伝統技術。想像される将来の不自由をあえて条件に据え、計画の推進を行った。具体的には、廃棄されたシェルター、過去の断片とも言えるセラミックの破材、タタミを模した塩ビ系の織床材。そんなイメージを持つ素材を用いて、過去への憧憬として将来創出されるであろう和の環境をイメージし表現した。 施工においても、普段使うことの少なくなった漆喰による磁器破材のモザイク貼り、口径2.4m×3.6m、1ピース2tオーバーというファサードのポイントであるスチール製チューブの設置においても、躯体側とのギャップ15?以下という精度で行うなど、単に技術というよりは職人的な力なくしては実施不可能であった。 図らずも地鎮祭の時のエピソードであるが、ビル正面の地下15mあたりに、城下町であった名残の壕の石垣が残っているらしく、一種の結界が店を根付かせない要因の一つであったらしいのだが、ファサードのスチールチューブは苦労の甲斐あって、これを破る風道になったらしく、オープンより連日の賑わいを見せている。

【Dining Bar un,deux,・・ / 安土】

※2002年JCDデザイン賞奨励賞受賞作品

・315?(150席)

(年鑑日本の空間デザイン2002年号掲載店舗)
(商店建築2000年10月号掲載店舗)