SPIC Salon

Hair Salon






category:理美容、エステ・スパ、リラクセーション
hair salon
 病院、クリニック
hospital, clinic

photo:Nacasa&Partners
SPICは、美と癒しと健康をテーマに「SPIC Salon」のフランチャイズとして美容室を全国に展開し、 空間イメージは、和をベースとしながら、様式にとらわれない日本人の美意識を追求してきた。 今計画は、昨年の東海店新築計画からの2店舗目となる、サーキットで有名な三重県鈴鹿市稲生塩屋という廻りは田んぼが広がる穏やかな立地。 既存の駆体を残しつつ、更に約35坪を増築するというSPIC Salonの中でも大規模な改装計画である。 まず入口の導線を変えることにより、幽玄な趣を演出するアプローチを設けることが可能となり、店内に入ると、室内に居ながらも、 より自然を感じられる様に建物中央に位置するラウンジ側にドライエリアを設け、既存の2階部分の床を撤去し吹き抜け空間とした。 窓を吹抜けの高さいっぱいまで大きくすることで、スタティックな空間から、高さによる圧迫感を無くし、 駆体を活かしたダイナミックな空間へと変えることができた。 ラウンジから見える隣接した建物との境界の塀の位置や高さは、日照計画、植栽計画共、何度も現地で検証し、入念に検討した。 サロンエリアでは、導線を重視するのは当然ながら、ここでも外構に面する壁面を大きく開口し、道路からもこのサロン内部を視認できるだけでなく、 忙しく動き回るスタッフが車で来られたお客様を瞬時に認識することができること、またこの条件を満たしながらも、庭との繋がりを持たせられる設計とした。 木質や銅板腐食仕上、大谷石といったそれぞれ色や表情の異なる質感を壁面に、床はスレートの石、家具はウォールナット。 重厚になりがちな構成だが、天井や、造作家具背面を間接照明とし、照明効果により、落ち着きと品格を感じられる空間とした。 配置された家具は、全てこの空間に合わせた意匠としてデザイン、製作。 リフレッシュエリアでは、前述の空間とは趣を変え、通路天井面には間接照明によるアプローチとした。 既存と新設の建物との境界部分の天井には十分な光が差し込むトップライトとし、外部との調和をもたらす意匠となる。 個室から庭が見え、静かに水が落ちる音を聞きながらそれがBGMとして癒される様に水盤を設けた。 全体的に、光の陰影、素材による質感、人との距離感や導線、椅子に座ったときの目線までも計算し、居心地の良い空間に仕上がった。 ジェフリー・バワの建築には、窓際や、外気を感じる様な場所や、通路などに椅子が配置された光景をよく見るが、ここでの贅沢の概念とは、 ものを所有するといった贅沢さではなく、そこで座りながら自然と向き合い対話をし、また読書や会話を楽しむといった、過ごす時間の贅沢さだと思う。 それは人それぞれ感じ方が違うが、この静かな環境の中でしか味わえない、真の贅沢を感じてもらえる様なお店づくりを目指した。 こうした立地条件により、回転率の高いお店だからこそ、スタッフ導線を考え、ホスピタリティを感じられ、 少しでも滞在時間を増やしてもらい、スタッフとお客様、またお客様同士のコミュニケーションの場として、 この界隈に新しいコミュニティが生まれ、更に広がっていく事を心から望んでいる。