NOUKA-NO-DAIDOKORO
農家の台所恵比寿店
Restaurant
dining restaurant
photo:永井泰史
全国の農家で野菜を味わったときの感動を広く伝えたいという思いのもと、「農家の台所」は誕生した。お店には青果の生産、流通を一貫して運営する「国立ファーム」の厳選された野菜が全国から毎日届く。野菜の入荷情報はタイムリーに更新され、入り口のディスプレイに表示される。店の主役は言うまでもなく野菜達であり、このレストランは彼らが生き生きと美しく輝くための舞台である。
暖簾を潜り抜け最初に構えているのは、今回のプロデューサーである高橋がなり氏の独創的な閃きにより生まれた無機質なプレハブ冷蔵庫である。普段入ることのないバックヤードに足を踏み込むと、ヒンヤリとした冷気と無骨な機械音の中、色鮮やかな野菜達が迎え入れてくれる。もの珍しい野菜に期待感を高めながらステンレスのスイング扉を開けて庫内を抜けると、一変してして広がるのが温かな農家的空間である。店内を見守るように聳え立つ大木からは、四季折々の生きた枝木が伸びている。まばゆい光を放つ水耕栽培ルームの中ではソルトリーフとホワイトアスパラが毎日背を伸ばしていく。嫌でも目に入ってくるミスマッチとも言える選挙ポスターからは篤農家の野菜に対する熱いメッセージを受け取ることができる。彼らが育て上げた色とりどりの野菜は竈サラダバーでシェフの手により、更に美しい姿へと変わっていく。原料の野菜から生産者の顔、調理の様子が見える、本当の意味でオープンなレストランが出来上がった。
「農家の台所 恵比寿店」データ
東京都渋谷区恵比寿南1丁目7-8恵比寿サウスワン1階
企画/高橋がなり 岡田勝利
設計/ベイリーフ 前田太郎 武部光太郎
協力/照明計画 ジャパンライティング
家具 ロックストーン
施工/ファビリカ 関口正浩 船本達則
撮影/永井泰史
工事種別◎内外装 全面改装
床面積◎148.6?(うち厨房40.6?)
工期◎2008年9月29日?11月10日
施工協力◎空調・給排水衛生設備/前田ビル商会 電気設備/村石電気工事 厨房設備/大和厨設 照明器具/ジャパンライティング 家具/ロックストーン 大根形サイン/真壁廉 疑木/吉村興業 古材/木曽アルテック社 栽培ルーム/エスペックミック プレハブ冷蔵庫/FUKUSHIMA 暖簾/津多屋