いくた/IKUTA

旬の魚と炭火料理・酒BAR/JAPANESE DINING








category:和食店
japanese dining

photo:石橋マサヒロ

沖縄県の中南部、宜野湾市にある「いくた・一九田」は、飲食店があるエリアから外れた住宅街の一角にある。この地域は十九区と呼ばれる地域で、店名の由来はそこから取った「一」と「九」、そこに隣接する長田区の「田」を合わせて名付けられた。地域密着型で常連客も多いことから、客層に合わせシンプルで色気のある大人のデザインを心がけた。建物の区画半分は座敷席、もう半分はテーブル席に分けられるのだが、中央に位置する厨房とトイレの区画を残しながらのコストを抑えた改装となった。まず、予算の比重はテーブル席の方へかけられ、座敷席は仕上げ直しと照明の新規計画、そしてディスプレイでの雰囲気造りで計画は進んでいった。テーブル席の区画は、ボックスシートの間仕切にエキスパンドメタルパネルを加え一新した。中央部分に配した円卓席は溝型鋼と木を使い、直線と曲線を混在させる事で特徴的且つシンプルな構造体の囲いとなった。天井にはオリジナルで作成した花柄の円形パネルを取り付け、看板や壁面グラフィックともに和を強調する意匠シンボルの一つとした。旬の食材とお酒の演出を全面に押し出したアイスベットはいくた流のおもてなし。肩肘張らず、いつも温かく迎えてくれる「いくた」が、さらに居心地のいい空間となって生まれ変わったのではないだろうか。


 「いくた」データ
沖縄県宜野湾市愛知246-1
設計/兼城祐作+造形集団 兼城祐作 佐藤弘美
施工/(株)南嶋社 仲北正明 菅原義和 / (有)グローイングサービス 東江良憲
工事種別/内外装 部分改装
床面積/220㎡
施工年/2011年